自動車用ガラス

自動車に使われているガラスは、ただ外が見えて、雨風が防げさえすれば良いと言う訳ではなく、 走行時や万一の際を考慮した安全性が確保されています。

ガラスには、JIS(日本工業規格)による規定があり、安全性を確認するようになっています。JISでは、合わせガラスが2種類、部分強化ガラス、強化ガラス、有機ガラス、ガラスープラスチックの6種が規定されています。

安全ガラスには、厚みや可視光線透過率や歪み、色の識別などのほかに、耐衝撃性や耐貫通性、耐熱性や耐摩耗性などの様々なテストが行われ、合格したものがJISに規定した製品として生産されます。

日本では昭和62年まで、前面ガラスに強化ガラスが認められていましたが、現在では、耐貫通性を備えたガラスとするため、2枚のガラスで中間膜を挟んだ「合わせガラス」が使用されています。車のガラスの端の部分に刻印がありますので、その刻印を見ると、どんなガラスが使用されているか確認することができます。

ガラスの種類

合わせガラス 2枚以上の板ガラスをポリビニルブチラール(PVB)などの樹脂製中間膜で接着したもの。
割れた時にも中間膜でガラス破片の飛び散り防止する。
強化ガラス ガラスを硬化温度まで加熱急冷して、ガラス表面と内部の応力バランスをとることで、通常のガラスより大きな力に耐えられるように加工したガラス。
割れた時に、破片が細かくなる。
IRカットガラス 高機能ガラスの一つで、主に赤外線の透過量を減らす事で暑さを抑える。
表面にコーティングをしたり、材料に混ぜたり、合わせガラスの中間膜に機能を持たせるなどの手法で造る。
UVカットガラス 最近の車の多くに採用されている。人間が感じる可視光線の透過率を確保し、紫外線の透過量を抑え、日焼け防止に役立つ。合わせガラスは中間膜自体がUVカット機能を持っている。
ソーラーコントロールガラス ガラスを通過する太陽光線(紫外線や赤外線を含む)の透過をコントロールするガラスの総称。IRカット、熱線反射、熱線吸収などだが、日射光の透過を制御する意味で使われている。
プライバシーガラス 一般的にリヤドアやバックドアに採用されている。車内からの視認性は確保しつつ、車外からは見えにくくした低透過率型。濃色グレーのほか、レガートというグリーン色が基本のものもある。
撥水or親水ガラス ガラスに付着する雨などの水滴を粒上にはじくものが撥水。
ガラス自体に水をなじませるものが親水。
フロントやリヤガラスで使われている。
遮音ガラス 風きり音やエンジン音、ロードノイズなどの、外部から進入する音を低下させる機能を持つタイプ
合わせガラスの中間膜で透過音を吸収させるようなタイプがある。
有機ガラス 耐貫通性に優れるポリカーボネート、透明性に優れるメタクリル樹脂などの硬質合成樹脂材料を使ったガラス。
車の軽量化にも役立つ。
コンポジットガラス ガラスとプラスチック等のガラスではない有機材料を直接または中間膜で接着した複合的な造りガラス。
複層ガラス 2枚以上の板ガラスの間に、中間層を設けたガラス。
通常中間層には乾燥エアが充填されるが、断熱性能を高める為、アルゴンやクリプトンなどの希ガスを充填するものもある。

ガラスの刻印

合わせガラスの例

O 05

強化ガラスの例

O 11

以上が自動車ガラスについての、ご紹介です。
お客様の大切な愛車のガラスにはどんなマークがあるのか?
一度じっくり見てみるのも面白いかもしれませんね。