マフラー

マフラーとは

音などを包み込む、あるいは鈍くするという意味を持つ言葉です。
一般的にマフラーというと下図の(9)を指します。お車を後ろから見た際に見える部分です。


マフラーとは

マフラーの役割

おもに音の低減排出ガスの抑制があります。排出ガスの抑制は上図の(6)、(7)の触媒と呼ばれる部品が行っています。エンジンから排出される有害なガスを無害なガスに替えます。式で表すと

CO + HC + NOx = CO2 + H2O +N2

一酸化炭素 + 炭化水素 + 窒素酸化物 = 二酸化炭素 +  + 窒素

となります。エンジンの燃焼状態が良い時ほどこの関係が成り立ち、水が形成されます。マフラーから出る水は、マフラー内に溜まった水蒸気と化学反応による水ですのでまったく問題ありません。


音の低減

マフラーはエンジンからの排気音を小さくさせますが、どのように音を小さくさせているかご存知ですか。マフラーの内部構造を見てみましょう。

マフラーの内部構造

純正マフラーは左図のような多段膨張式と呼ばれる構造が多く使用されます。内部を仕切っていくつかの小室に分け、わざと遠回りになるように長さや太さの違うパイプで繋ぎそこを通った排気が膨張や収縮などを繰り返す事で音の圧力波を減衰し音量を下げる仕組みです。社外マフラーに多いストレートタイプに比べ燃焼効率や低回転域からのトルク向上を達成しやすい反面、その構造の複雑さから、重量が増大しやすい欠点があります。


保安基準について

マフラーにはいくつかの保安基準があります。排気漏れが無い事はもちろん、HC・COの数値、音量、開口方向の規制、突出禁止、最低地上高の確保など様々な基準に適合しなければ車検に通る事は出来ません。この中で最近改正された保安基準の一例を取り上げます。


平成22年4月1日以降に生産されたお車に装着されている社外製マフラーは認証を取得したものでなければ車検を受けることが出来ません。後付消音器の性能等確認機関(JASMA)が発行する表示プレートが必要です。また、既存の近接排気騒音に加え、加速走行騒音を有効に防止するものであることが追記されました。


排気管の突出に関する規制も変わり平成21年1月1日以降に生産されたお車は以下の項目を満たしていなければなりません。


1. 排気管(マフラーは、その上方のフロア・ラインを含む鉛直面から10mmを超えて突出してはならない。(図1)

※自動車が静止中及び、走行中のいずれの状態においても適応するものとする。

2. 排気管(マフラー)は、その端部に丸みを付けてあり、かつ、2.5mm以上の曲率半径を有するものにあたっては、フロア・ラインを含む鉛直面から10mmを超えて突き出しても良い。(図2)(但し、極端に車枠から突出し、危険物とみなされる場合は除く。)

保安基準

※上記の法令は平成29年3月31日まで猶予期間が設けられました。その他にも改正された法令がございます。詳しくはお近くのスバルまでお問合せださい。


これまでマフラーの働きと関係法令について述べてきましたが最後に愛車のマフラーを少しでも長持ちさせるためのアドバイスをさせて頂きます。マフラーの最大の敵は錆です。前に述べたようにマフラーの内部には水が発生します。エンジンが十分に温まらないような「ちょい乗り」ではマフラー内部に溜まった水が蒸発しきれず内部からの腐食の原因となりますのでお気を付け下さい。また、雪道を走行した際には融雪剤がマフラーに付着しマフラー外部の錆の原因になりますので下廻りの洗浄をおすすめ致します。