シートベルトの機能

シートベルトの誕生

1899年、ロンドンでダイムラー車の交通事故によって二人の乗員が車外に投げ出され死亡しました。そこで当時、自動車先進国であったフランスの技術者ルボー(Gustave-Desire Lebeau)という人が、1903年に高い背もたれと交差式ベルトからなる「自動車等の防御用ベルト」というものを考案しました。これがシートベルトの基と言われています。ですからシートベルトの歴史は古く、すでに100年近い年月が経っていることになります。

シートベルトの機能

現在は、後部座席におけるシートベルトの着用が義務化されています。
〜平成19年6月20日道路交通法の一部を改正する法律(平成20年6月1日から施行)〜

そこで今回は、シートベルトの機能をご説明いたします。

シートベルトには、緊急時のみベルトを自動的にロックさせ、通常時は自由に引き出しができる衝撃感知装置を備えた「巻き取り装置(ELR)」付きのものが使用されています。
また、リヤシートベルトにチャイルドシートを固定するのに便利な「ALR機構」を持つ「A/ELR」を採用しているものもあります。
シートベルト機構

ELR式シートベルト(Emergency Locking Retractor)


この方式は通常、リトラクターのゼンマイで巻き取られているベルトを引き出して着用します。正常時には、ベルトが簡単に引き出せますが、万一の衝突時には、ベルトがロックされて乗員を保護するものです。

【下記それぞれの条件に当てはまるときはベルトがロックされ引き出せなくなります】
ロック条件
① ベルトが急に引き出されたとき。
② 急ブレーキまたは急旋回時、あるいは事故で大きな衝撃を受けたり、車体が大きく傾いたとき。



オートマチックロッキング機構付きELR(ALR:Automatic Locking Retractor)


リヤシートベルトに装着されている機構で、チャイルドシートを固定するのに便利な機構です。
通常の使用時はELRとしての機能を発揮し、チャイルドシートを固定しようとする時に、シートベルトを全量引き出すことによりオートマチックロッキングリトラクターとしての機能を発揮するようになっています。
※全量引き出すと巻き取り終わるまで引き出すことができなくなります。



その他の機能

プリテンショナー機能

前方から強い衝撃を受けた時に電気信号により着火し、シートベルトの乗員拘束のタイミングを早め、乗員拘束力を効果的に発揮します。
※エアバック作動時にシートベルトを先に巻き取る機能です。
(1度エアバックが作動すると再使用はできません。また乗員がいなくても作動するので、装着されている全席のベルト交換が必要になります。)

ロードリミッター機能

シートベルトに大きな荷重がかかり規定値に達した時のエネルギーを吸収し、乗員の胸にかかる大きな荷重から保護します。
※一定以上の力がかかった時にベルトを数センチ緩め、乗員を保護する装置です。



もしもの時は

事故、浸水等でシートベルトの取り外しが困難な状態になった時はベルトをカットし脱出します。その時に役立つ工具と使用方法をご紹介します

シートベルトカッター ※形はさまざまなものがあります。
シートベルトカッター
使用方法 シートベルトにカッターを引っ掛けて、そのまま引くだけでOK。
シートベルトカッター

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