サービスワンポイントアドバイス:知っておきたいブレーキフルードの知識

サービス・ワンポイントアドバイス
09年11月 更新号 知っておきたいブレーキフルードの知識
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年の瀬も近くなってきました。
お出かけの前には是非ご自分でも日常点検を実施して、安全に運転して頂きたいと思い、今回はブレーキフルード(ブレーキオイル)のお話をさせて頂きます。


お車を運転している時には当たり前の様にブレーキペダルを操作し、車の減速、停止を行っていると思いますが、何故車が減速できるのか?詳しく知っている人は意外と少ないのです。
自転車の運転を想像してみて下さい。ハンドル左右のブレーキレバーを握るとレバーがワイヤーを引っ張り、ワイヤーの先端に取り付けられているパットがホイール(タイヤ)に押し付けられ、摩擦力によって自転車は止まる事ができます。
この中でワイヤーと同じ役目をしているのがブレーキフルードなのです。
ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキパット、ブレーキシューに伝えているのがブレーキフルードです。
ブレーキフルード図

 

左図の中でがブレーキフルード(ブレーキオイル)
 がブレーキぺダルを踏み、ブレーキフルードに加わる力
 がブレーキフルードからの加圧によりブレーキパットに加わる力を現します。
ブレーキパットがタイヤと一緒に回転しているブレーキディスクを押し付け、摩擦により車が止まる力になります。
 

力を伝えているだけなら専用のオイルでなく、水やエンジンの冷却水(クーラント)でも良いのでは?と疑問を持つ方もいるかとは思いますが、水や冷却水を使用出来ない理由があります。
先ほどお話しましたが、ブレーキは摩擦により車が止まる力を得ています。
摩擦するという事は…熱が発生します
水が沸騰する温度(沸点)は100℃です。冷却水も不凍液であって沸点は水と大差ありません。
ちなみにブレーキで発生する熱は摩擦部分は通常走行で約200℃以上になるそうです。
水や冷却水ではすぐに沸騰してしまうのです。
沸騰するとどんな問題が発生するのか…?
ブレーキペダルを踏んでブレーキパットやブレーキシューに伝えるべき力が伝わり難くなります!
液体が沸騰すると気泡が発生します。気体は圧縮されるので、ブレーキペダルからの力を吸収し圧力を下げてしまい、結果ブレーキパット、ブレーキシューを押し付ける力が減少し、摩擦力が下がりブレーキの効きが悪くなってしまいます。(ブレーキペダルを踏んだ時フワフワする様に感じます)
教習場で習った記憶がある方もいると思いますが、ベーパロックという現象になります。

次にブレーキフルードのメンテナンスについて説明させて頂きます。
自分自身でのブレーキフルード点検方法は…? 日常点検では外見点検だけで構いません。
ボンネットを開けフルード液量と色の確認だけで結構です。
レガシーエンジンルーム
上写真はレガシィのエンジンルームを車両前方から撮影した物ですが、ブレーキフルードリザーブタンクの位置は  内になります。
→
フルード拡大図
フルード量は上写真の【MAX】と【MIN】の間にあれば正常と判断できますが、ブレーキ残量警告機能もあるのでMAXが望ましいです。
 
ブレーキフルードの液量ですが、ブレーキパット又はブレーキシューが消耗すると少しずつ液面は下がりますが、それ以外に液量がMIN以下に下がる事はありません。走行距離が少ないのに(ブレーキパット、ブレーキシューが消耗していないのに)液面が下がっている様であれば、車両側に異常がある可能性が考えられます。お近くのスバル特約店での点検をお受け頂く事をお勧めします。
上記で述べましたがブレーキ残量警告機能についてですが ブレーキ残量警告機能ランプ のランプはご存知ですよね?
サイドブレーキ又はパーキングブレーキを作動させている時にメーター内に点灯している警告灯です。
サイドブレーキ、パーキングブレーキを解除してもランプが点灯している様であれば、ブレーキフルード液量がMIN以下になっている可能性が高いです。ブレーキパット、ブレーキシューの磨耗又は車両側に異常がある場合がございますので、速やかに最寄りのスバル特約店での点検を受けて下さい。

次にフルード液色ですが、上の写真は新車時の状態です。
左下写真は1年経過後の写真で、右下の写真は2年経過後です。

新車時
新車時
 
 
1年経過
1年経過
2年経過
2年経過
 
次第に赤茶色に変化しているのが確認出来ます。何故変色しているのか…?
ブレーキフルードの性質に要因があるのですが、ブレーキフルードはオイルと言われる事もあるのに、水と混ざる性質があります。湿気を吸収し易いのです。
経年変化により空気中の湿気を吸収し、赤茶色に変化してきます。
では、湿気を吸収するとどの様な不具合が発生するのか…?
先ほどブレーキフルードは沸騰し難いのが重要な事をご説明しましたが、湿気を吸収する事により液体が沸騰する温度の沸点が下がってしまうのです。
ワインディング走行などブレーキを普段より多く使用した時、ブレーキが効かない!なんて事になったら大変怖い状況になります。最悪、大事故に繋がる可能性も考えられます。
ブレーキフルードの交換時期の目安としては、通常走行では2年使用しての交換で十分ですので、私達スバル特約店では車検時の交換をお勧めしています。
不況の影響もあると思いますが、最近は定期点検時や車検時に「極力金額を安くして!」「最低限の整備内容で!」と要望される方が多いと感じます。「車検時にブレーキフルードなんて交換しなくてもいい!」と言われる方もいます。
私自身、必要の無い無駄な出費はできれば避けたいと思います。
しかしブレーキフルードは車検整備時には交換して頂きたいと思います。
個人的な考え方になりますが、エンジンやトランスミッションが故障しても「走れない」で済みますが、ブレーキの故障では1,500kg以上で動いている物が「止まれない!!」のです。

私どもスバル特約店では、お客様が安心、安全にカーライフを送って頂ける様にサポートさせて頂きたいと考えております。
セーフティーチェック、12ヶ月点検、24ヶ月点検時には、今回ご説明させて頂いたブレーキフルードだけでなく、専門の技術と知識で総合的にお車を点検させて頂きたいと思います。
お気軽に近くのスバル特約店にお立ち寄り下さい。

田無店  チーフメカニック 五十嵐


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